平成27年度 市立敦賀病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 398 111 218 332 272 391 774 1090 1189 301
当院は福井県嶺南地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者さんに質の高い医療を提供しています。
全体では、高齢化の影響で60歳以上の患者さんが多く、全体の66%を占めております。
年齢別に傷病を見てみますと、10歳以下では新生児の入院や肺炎など感染症の入院の頻度が著明です。10代は患者数は少ないものの、骨折や腸炎が多い傾向にあります。20代、30代では、女性の入院が7割を超えており、産婦人科系の疾患が多くなっております。40代、50代は、尿路感染や消化器系疾患など多種多様ですが、加齢に伴う虚血性心疾患や脳梗塞の入院もあり、60代ではこれに悪性腫瘍や腎不全が加わります。70代も同じ傾向ですが、肺炎が増えております。
80代以上の高齢になりますと、肺炎、心不全、脳梗塞に加え、大腿骨近位部骨折が多くなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 151 28.17 21.69 6.62% 84.48
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 126 15.06 14.34 0.79% 74.23
180040xx02x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント血栓除去術等あり 41 10.07 3.40 2.44% 68.07
高齢の患者さんが多く、内科全体で約8割は60歳以上の患者さんです。そのため、高齢者に多い肺炎などの呼吸器系疾患が上位を占めています。
また、当院では腎臓病により血液透析を受けている方が多いため、シャント血管の不調(繰り返す治療により血管が細くなったり、詰まってしまう)による手術を目的とした入院も多くなっています。
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的手術等あり 42 12.55 10.93 2.38% 78.40
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 23 10.83 16.76 0.00% 53.83
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 内視鏡的止血術等あり 17 9.35 11.00 5.88% 69.18
胆管結石症例が最も多く、内視鏡的胆道ドレナージや胆管結石除去術などの内視鏡的治療を行っています。
内視鏡検査は消化器内科医師と消化器外科医師が協力して24時間体制で行っており、止血術を中心とした緊急内視鏡や早期胃癌に対する内視鏡治療(ESD)も積極的に行っています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 虚血性心疾患(狭心症など) 心臓カテーテル検査あり 65 3.02 3.07 1.54% 70.18
050130xx99000x 心不全 64 17.56 18.30 3.13% 82.09
050050xx99200x 虚血性心疾患(狭心症など) 心臓カテーテル検査+SPECT検査あり 37 3.43 3.22 0.00% 70.76
循環器内科は50歳以上の患者さんが多く、加齢に伴い増加傾向のある虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)や心不全の患者さんが多くなっています。
特に60代・70代の患者さんで、心機能の異常や動悸を主訴に虚血性心疾患の検査目的で入院される方が多く、治療が必要と判断された場合は引き続き当院にて心臓カテーテルによる治療を行うか、外科的手術が必要と判断された場合は設備の充実した他の医療機関と連携を図り治療を継続していきます。

※SPECT…体内に薬剤を静脈注射し、撮影した画像から虚血(心臓に血流が足りなくなった状態)があるかどうかを確認する検査です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x ハイリスク妊娠・分娩による新生児又は出生時に異常のある新生児 110 6.40 6.17 1.82% 0.00
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 87 5.67 5.72 1.15% 1.91
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 25 3.56 3.97 0.00% 1.92
新生児の入院が最も多く、低出産体重児、新生児黄疸、新生児感染症、先天性異常などに対して経過観察・治療を目的に入院されます。
当院では新生児の入院に関して、産婦人科病棟に隣接して新生児治療室を設置しており、出生直後から小児科医師が新生児診療に対応しています。
また小児に多い肺炎、胃腸炎、川崎病などの急性期疾患をはじめ、てんかん、腎疾患など慢性疾患の入院も受け入れています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x 腸閉塞 36 12.22 9.17 2.78% 72.28
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 33 8.88 7.91 0.00% 48.03
060150xx03xx0x 虫垂炎 手術あり 25 5.52 5.56 0.00% 32.04
高齢者に多い腸閉塞の治療のための入院が最も多くなっていますが、全体的には腹腔鏡や胸腔鏡による鏡視下手術を目的とした入院が多くなっています。
虫垂炎、胆石、胃癌、大腸癌、肺癌、気胸、縦隔腫瘍などに対して年間100件を超える鏡視下手術を行っています。

※鏡視下手術…内視鏡をお腹や胸に入れて、モニターを見ながら手術を行います。外科的手術のようにお腹や胸を切らず、小範囲の切開だけで治療を行うので、患者さんの身体的負担が軽い手術です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術あり 53 51.23 28.70 43.40% 82.23
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 17 7.29 5.70 0.00% 47.59
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等あり 14 37.29 27.21 0.00% 76.93
整形外科の患者さんは年齢階層が幅広く、高齢者に多い膝・股関節の重度の変性疾患や転倒による骨折、若い年代に多い過度の運動によるスポーツ障害などに対する手術目的の入院が多くなっています。
手術が必要な患者さんには、早期の日常生活・スポーツ復帰を目指しできるだけ早期に手術を行っており、患者さんにとって一番負担の少ない手術方法を選択して治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) エダラボン投与あり 56 34.43 18.08 21.43% 74.21
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) 32 37.94 15.80 15.63% 75.38
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 20 10.40 7.52 0.00% 51.90
脳神経外科は加齢に伴う脳梗塞の入院が最も多く、当院では脳梗塞に対する超急性期治療として、t-PA静注療法(血栓溶解療法)やカテーテルによる血栓除去・再開通療法を行っています。
従来の手術治療法(開頭手術)に加え、心臓や呼吸器などに疾患のある方や高齢者などその他開頭手術が困難な患者さんに対する、カテーテル治療も積極的に行っています。
また術後は地域包括ケア病棟に移り、早期日常生活への復帰を目指しリハビリテーションを行います。

※JCS(Japan Coma Scale)…日本で使用されている意識レベルの評価方法。

※エダラボン…脳保護療法に使用される薬。脳梗塞が起こり脳細胞が徐々に壊死すると、その周囲から有害物質が発生し、ほかの健康な脳細胞まで傷つけてしまうため、その動きを抑えるための薬を投与します。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 34 7.56 8.97 0.00% 69.15
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 24 8.96 11.97 4.17% 63.25
070470xx99x0xx 関節リウマチ - - 14.9 - -
皮膚科は帯状疱疹による入院が最も多く、次いで蜂巣炎<蜂窩織炎>で入院される患者さんが多くなっています。
また、当院皮膚科は上記疾患のような炎症性疾患や感染症以外にも先天性疾患や皮膚腫瘍、自己免疫疾患などの治療にも対応しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx040x0x 腎臓または尿路結石症 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術あり 73 2.08 2.89 0.00% 55.66
11012xxx020x0x 腎臓または尿路結石症 経尿道的尿路結石除去術等あり 46 6.80 5.91 0.00% 56.67
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 39 11.44 12.60 0.00% 70.67
高齢化・生活習慣病の増加に伴い尿管結石や腎結石などの尿路結石症が増加していますが、当院泌尿器科においても尿路結石症の入院が最も多く、体外衝撃波結石破砕術や内視鏡システムやレーザーを導入して治療を行っています。
また当院ではその他にも尿路感染症(急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎)の重症例や、癌などに対する開腹・腹腔鏡下手術、抗癌化学療法や放射線療法などの入院にも対応しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 80 20.04 20.87 13.75% 30.59
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常(既往帝切後妊娠、骨盤位、狭骨盤等) 手術あり 58 13.36 9.94 0.00% 32.50
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常(前期破水、羊水過少症等) 手術なし 46 9.33 6.56 2.17% 31.26
当院の産科は、福井県嶺南地区周産期医療システムの中核施設として、県の地域周産期母子医療センターに指定されており、合併症妊娠・多胎妊娠・切迫流早産・胎盤位置異常・胎児異常などのハイリスク妊娠・分娩の母体管理などの周産期医療に取り組んでいます。
また、敦賀市内・美浜町・若狭町(三方地域)など嶺南地区以外の、嶺北地区・県外の妊婦さんが全体の約3割を占めており、里帰り分娩も多く受け入れています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障 手術あり(片眼) - - 3.01 - -
眼科の主な入院である白内障手術の短期入院は、情報の公表において集計の対象外となっているためデータは記載しておりませんが、白内障手術の短期入院(一泊二日)は年間80件以上あります。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 20 8.45 5.31 0.00% 72.25
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 12 5.75 5.53 0.00% 39.00
030380xxxxxxxx 鼻出血 - - 6.29 - -
めまいや難聴の原因となる耳性疾患による入院が多くなっています。
その他、扁桃炎や良性・悪性の腫瘍疾患に対する手術目的の入院も扱っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 - - 11 20 14 1 7
大腸癌 - 15 18 12 33 10 1 7
乳癌 10 - - - - - 1 7
肺癌 - - - 11 10 45 1 7
肝癌 - - - - - 21 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院においてがんの診断や初回治療を行った「初発」の患者さんで比較すると、大腸癌が最も多く、次いで胃癌となっており、消化器がんの治療を多く行っていることが分かります。
胃癌、大腸癌に対して、内視鏡的手術、開腹手術、腹腔鏡下手術(手術創が小さく開腹と比べて体への負担が少ない)、抗がん剤治療など、各ステージや患者さんの状態に合わせた幅広い治療を行っております。
肺癌の治療に関するガイドラインとしては、ステージⅠ~Ⅱの場合は手術療法が考慮されますが、平均年齢が74歳と高く、手術のリスクや患者さんの状態について相談の上、治療方針を決定します。手術療法を選択された場合には、体への負担を軽減するために、積極的に鏡視下手術を行っており、手術療法を選択されなかった場合やステージⅢ~Ⅳ期の場合は抗がん剤治療を行います。
乳癌については、各ステージや癌の種類、患者さんの状態に合わせて、手術療法や抗癌剤療法、ホルモン療法、放射線治療、またそれらの組み合わせにより治療を行います。
肝癌は治療後に再発することが多く、当院の患者さんも肝癌初回治療後の再発として、入院治療される方の割合が多いことが分かります。肝細胞癌に対する治療としては、肝動脈塞栓術(TAE)を中心とした集学的治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 30 6.57 51.53
重症度 1 53 18.04 77.98
重症度 2 34 21.53 83.12
重症度 3 17 15.06 82.41
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
肺炎は、当院に入院される患者さんで最も多い疾患であり、男女差はほとんどありません。
重症度別で見ますと、比較的軽症の肺炎患者が多い傾向にありますが、重症度4や5の超重症肺炎患者さんも加療しております。
重症度4、5はデータを表記しておりませんが、平均在院日数は1ヶ月程度、平均年齢は84歳でした。
この結果より、成人市中肺炎は高齢になるほど重症になり、また平均在院日数が長くなることが分かります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 14 7.07 71.14 0.00%
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 135 46.96 76.01 23.70%
その他 10 34.40 72.20 20.00%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 11 8.18 60.73 0.00%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞等の分類にあたる患者さんは、ほとんどが脳神経外科に入院されます。脳神経外科の入院のうち、約4割がI63$(脳梗塞)に分類される症例であり、そのうち約半数の患者さんが救急車で搬入されております。当院では、超急性期脳梗塞治療として、t-PA静注療法(血栓溶解療法)やカテーテルによる血栓除去・再開通療法も行っています。
脳梗塞は、約1ヶ月程度の入院期間で治療とリハビリを行います。約4割の患者さんは、急性期治療後に地域包括ケア病棟(在宅復帰に向けた支援を行うことを目的とした病棟)へ転棟し、そのうち8割の患者さんが自宅へ帰られています。
また、自宅や施設へ退院することが困難な場合や不安がある患者さんは、近隣の病院と連携を図り、リハビリ継続目的で転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 34 1.03 7.53 2.94% 67.24
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 31 9.26 17.65 6.45% 64.55
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
当院では腎機能の低下により血液透析を必要とする患者さんが多く、血液透析に必要なシャント血管を作成する内シャント設置術やシャント血管の不調に対する手術が多くなっています。
血液透析は週に2、3回行う必要があり、その度に造設したシャント血管内は大量の血液が流れます。そのため、何度か治療を繰り返す内にシャント血管内が細くなったり、血管が詰まってしまうことがあります。その際には当院のIVR専門医が細くなった血管を広げたり、詰まった血管の通りを良くする手術(経皮的シャント拡張術・血栓除去術)を行います。

※IVR(Interventional Radiology)…CTや超音波などの画像装置で体の中を透かして見ながら、カテーテルや針を使って行う治療法です。外科的手術のようにお腹や胸を切ることなく臓器や血管の治療ができるため、患者さんの体への負担は軽減されます。
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 60 0.22 1.03 0.00% 63.38
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 23 3.35 11.96 0.00% 77.96
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 20 3.60 9.55 0.00% 75.05
消化器内科では大腸腺腫やポリープに対する内視鏡的切除術が最も多く、2、3日程で退院されます。
内視鏡的胆道ステント留置術は、膵臓や胆管、十二指腸癌などによる胆道の狭窄を防ぐ手術です。
内視鏡的乳頭切開術は総胆管結石に対して、内視鏡下に十二指腸乳頭を切開し、結石を除去する手術です。
食道・胃・腸などの消化管や肝・胆道疾患の検査・治療に幅広く対応しており、上記以外にも止血術を中心とした緊急内視鏡や早期胃癌に対する内視鏡的治療(ESD)を積極的に行っています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 55 4.64 14.87 3.64% 73.58
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 15 4.73 10.67 6.67% 79.20
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 15 0.07 17.80 13.33% 74.80
循環器内科では狭心症や急性心筋梗塞に対するカテーテル手術が最も多くなっています。狭心症などの虚血性疾患の治療は一刻を争いますが、緊急の場合だけでなく、患者さんの状態に合わせて日を改めて行うこともあります。
四肢の血管拡張術・血栓除去術は高血圧や糖尿病などによる四肢の血管の狭窄や閉塞に対するカテーテル手術です。
上記カテーテル治療の他、循環器内科では徐脈性不整脈の治療としてペースメーカー手術も多く行っており、術後はペースメーカー外来にて患者さんをサポートしています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 50 4.34 8.96 2.00% 69.06
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 44 1.11 4.98 2.27% 63.14
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 26 0.35 1.12 0.00% 62.58
胆のう結石症や胆のう炎に対する腹腔鏡下による胆嚢摘出術が最も多くなっており、外科では胆嚢摘出以外にも虫垂炎、胃癌、大腸癌、肺癌、気胸、縦隔腫瘍などに対する鏡視下手術(※)を年間100件以上行っています。

※鏡視下手術…内視鏡をお腹や胸に入れて、モニターを見ながら手術を行います。外科的手術のようにお腹や胸を切らず、小範囲の切開だけで治療を行うので、患者さんの身体的負担が軽い手術です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 40 3.93 44.20 32.50% 79.88
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 29 3.10 45.41 0.00% 73.17
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 22 2.45 16.86 4.55% 67.05
整形外科では骨折に対する手術が多く、次いで膝・股関節に対する人工関節置換術が多くなっています。
高齢者の転倒による骨折や加齢に伴う膝・股関節の重度の変性疾患に対しする手術が多いため、全体的な平均年齢も高くなっています。
手術は早期日常生活復帰を目指してできるだけ早く手術を行っており、術後は地域包括ケア病棟にてリハビリテーションを行い、患者さんのQOL向上に努めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 18 51.22 49.06 38.89% 84.33
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 3.94 34.88 11.76% 83.00
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
脳卒中の後遺症による嚥下障害で食事が困難な患者さんに対して、ご家族の希望があった場合に胃ろう造設術を行っています。
当院は60歳以上の高齢の患者さんが多いため、加齢に伴う脳卒中や脳の萎縮がみられる高齢者に多い慢性硬膜下血腫に対する手術が上位を占めています。
また従来の開頭手術だけでなく、高齢者や複数の全身合併症(心疾患、呼吸器疾患、腎疾患など)を持つ患者さんに適した、脳動脈瘤コイル塞栓術や頚動脈ステント留置術などの脳血管内手術(カテーテルによる手術)も積極的に行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6cm以上 - - - - -
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径4cm以上 - - - - -
皮膚科入院では皮膚の悪性腫瘍に対する手術を中心に行っており、その他の手術は主に外来通院で行っています。

※露出部…頭部、頚部、肘関節から下の部分、膝関節から下の部分。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 76 0.29 1.53 0.00% 55.89
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 48 4.00 4.46 0.00% 58.25
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 42 2.86 5.50 4.76% 74.19
尿管結石や腎結石などの尿路結石症に対する体外衝撃波結石破砕術や内視鏡システムやレーザーによる結石除去術を多く行っています。
また早期に内視鏡で発見された、浸潤性でない膀胱癌に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術も多く行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 41 9.27 10.00 0.00% 32.61
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 39 4.49 10.62 0.00% 31.72
K9091 流産手術 妊娠11週までの場合 20 0.25 1.00 0.00% 33.00
当院の平成27年度の分娩数は357件で、そのうち約2割が帝王切開による分娩です。
帝王切開はお産後約10日ほどで退院となりますが、自然分娩はお産後約1週間ほどで退院されます。
退院までの期間は、お産後の身体を休めつつ、徐々に育児に慣れていけるよう、授乳方法や赤ちゃんの抱き方、乳房管理などについての説明・サポートを行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 82 0.00 1.00 0.00% 76.90
眼科は主に高齢の患者さんの白内障に対する水晶体再建術を行っており、基本的に一泊二日で退院されます。また、両目に対して白内障手術を行う場合は、期間を開けて片目ずつ手術を行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 - - - - -
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K6261 リンパ節摘出術 長径3cm未満 - - - - -
慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術は、患者さんの希望が強く、保存的加療で症状の改善が見られない患者さんに対してのみ行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 29 0.57%
異なる 21 0.41%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 81 1.60%
異なる - -
厚生労働省による平成26年度の全国DPC対象病院データ集計では、全症例に対する割合は、播種性血管内凝固が0.17%、敗血症は0.56%でした。全国値と当院の数値を比較しますと、播種性血管内凝固(当院は0.19%)はほぼ同じ、敗血症(当院は0.98%)は割合が高いことが分かります。
敗血症について、DPC病名と入院契機病名が異なる場合を見てみますと、半数の11件が肺炎などの感染症でした。平均年齢が79歳であることから、入院後も全身状態が悪化して敗血症といった重症な病態になってしまったと考えられます。

手術・処置などの合併症については、ほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一であることが分かります。これは、手術・処置などの合併症を主訴として入院され、治療を受ける入院患者さんが多いということです。
手術・処置などの合併症にあたる症例としては、透析患者さんのシャント狭窄が58件、体内に挿入されたカテーテル等の感染症が10件、その他には手術や処置後の感染、出血などでした。
手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って施行していますが、合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2016/09/20
病院指標データの公開