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病院情報の公表

DPC(診断群分類包括制度)とは

 DPCとは、Diagnosis Procedure Combinationの略で、医師が決定した病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。
 DPCの対象となる患者さんは、医療保険を使用し、一般病棟に入院された患者さんです。
 傷病名と手術、処置の有無の組み合わせによって、14桁のDPCコードが決められています。

病院情報公開の目的

 DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、市民の皆様に情報公開を進めています。
 数値やデータを解説化することにより、当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的として公開しています。また、当院におけるDPCデータの質の向上とDPCデータ分析力、説明力の向上を図っていきます。

集計項目と定義

主な定義

令和5(2023)年4月1日~令和6(2024)年3月31日に退院された患者さんが対象です。
医科保険適用患者さんが対象となり、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等の患者さんは含みません。
入院期間中に一度も一般病棟を使用されなかった患者さんは集計対象外となります。
入院後24時間以内に死亡した患者さんまたは生後1週間以内に死亡した新生児は集計対象外となります。
全集計について、10人未満の場合は、「-(ハイフン)」を表記しています。

集計項目

Ⅰ. 病院指標
1 年齢階級別退院患者数
  10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢階級別に集計することで、当院の特徴や患者構成をある程度知ることができます。

2 診療群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
 症例数の多いDPC14桁分類(DPCコード)を、各診療科別に集計しています。項目はDPCコードに対する患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢で、各診療科別に上位5つを掲載しています。

3 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数
 5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を、初発のUICC病期(ステージ)分類別および再発に分けて集計しています。

 ※UICC病期分類とは…
  国際対がん連合(UICC)によって定められた病期(ステージ)分類。原発巣の大きさと拡がり(T)、所属リンパ節への転移の有無/拡がり(N)、遠隔転移の有無(M)の要素によって、各癌をⅠ~Ⅳ期の病期に分類するものです。 
4 成人市中肺炎の重症度別患者数等
 成人市中肺炎の患者さんの人数を、重症度別に集計しました。重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システムを用いています。

 
【重症度分類(A-DROPスコア)】
A. 男性≧70歳、女性≧75歳
D. 尿素窒素≧21mg/dL または脱水
R. 酸素飽和度≦90%
O. 意識障害あり
P. 収縮期血圧≦90mmHg以下
【重症度分類】
 軽症: 0点の場合
 中等症: 1~2点の場合
 重症: 3点の場合。意識障害あれば1点でも重症
 超重症: 4~5点の場合
 不明: 重症度分類の各因子が1つでも不明な場合

 

5 脳梗塞のICD10別患者数等
 脳梗塞の病型(ICD-10コード)別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しております。

※ICD-10コードとは…
 International Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の略称で、世界保健機構(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した、傷病に関する分類です。現在は1990年に改訂された、第10回修正版(ICD-10)が採択されています。


6 診療科別主要手術別患者数等
 症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。項目は、手術術式の点数表コード(Kコード)に対する患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、平均年齢で、各診療科別に上位5つを掲載しております。
一入院期間で手術を複数回行った場合は、主たる手術(一番点数の高い手術)のみをカウントしております。

7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
 DIC(播種性血管内凝固)、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率について、DPC病名(最も医療資源を投入した病名)と入院契機病名(入院のきっかけとなった病名)が「同一」か「異なる」に分けて集計しております。
 入院契機と「同一」は、ある病気の診療目的で入院し、その病気の治療を行ったということを表し、入院契機と「異なる」は、ある病気の診療目的で入院したが、入院時より併発していた、もしくは入院中に違う病気が発症し、その治療が主となってしまった場合を表します。
※DIC(播種性血管内凝固)とは…
 小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、小さな血管を詰まらせる全身性の重篤な病気です。
 血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たし、大量出血を引き起こす場合もあります。
※敗血症とは…
 感染症をきっかけに、病原菌が多量に血液の中に入り込むことで起こる重篤な全身の感染症です。
※その他の真菌症とは…
 真菌による感染症です。代表的な真菌症として、白癬(水虫、たむし)、カンジダ症などがあります。
※手術・術後の合併症とは…
 手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。



Ⅱ. 医療の質指標
(1)リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施
 周術期の肺血栓塞栓症の予防行為(弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固療法)の実施は、発生率を下げることにつながります。
 この指標は、肺血栓塞栓症の発症リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者さんの、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された割合を集計しています。
 ※肺血栓塞栓症とは…
  血液の流れに乗って運ばれてきた異物(血栓)が肺動脈を塞いでしまった状態を肺血栓塞栓症といいます。
(2)血液培養2セット実施率
 広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティスとなります。また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため2セット以上行うことが推奨されています。
 この指標は、血液培養を行う際に2セット以上の検査が実施された割合を集計しています。
(3)広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
 近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。

関係法令

 集計項目の結果を公表するにあたっては、厚生労働省による「医療機関ホームページガイドライン」を遵守しています。

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